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zoom RSS 改憲案の検討に踏み込みつつある衆院憲法審査会(11/6)

<<   作成日時 : 2014/11/11 21:34   >>

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11月6日(木)、衆議院憲法審査会が行われました。今国会2度目の開催となります。衆院の審査会は10時に開会されるのが通例ですが、この日は本会議があり、秋の園遊会があった関係でその開始時間が正午とされたため、審査会の開会も前倒しされて9時30分となったようです。

無理やりの審議日程

それはともかく、この日午前の衆議院では他にも安全保障委員会(これはわずか数分で終わったようですが)、倫理選挙特別委員会、消費者問題特別委員会、震災復興特別委員会、原子力問題調査特別委員会が開かれており、今国会では(もともと会期が短めであることに加えて、小渕・松島両氏の大臣退任等によって国会の運営が混乱しているためでしょうか、)かなり強引に審議日程が設定されていることがわかります。

笠井亮氏(共産)が「私はこれから原子力問題調査特別委員会で質問に立つために退席せざるを得ない」、「この審査会が(他の委員会等と)重複する日程で設定されるということはすべきでないと改めて強調したい」と抗議したのもむべなるかなと思いました。

この日の委員の出席状況は、最初は30人前後、その後35人以上に増加するもすぐに減少に転じて25人そこそこになり、終盤にかけてまた増加して30人を超えるという様子でした。定員は50名ですから、(この日に限ったことではありませんが)空席が目立ちました。

また、委員の入れ替えによって女性の委員が維新の党の三木圭恵氏1人だけになってしまいました。この日三木氏は開会後しばらくしてから(園遊会に参加するためでしょうか)振袖姿で現れたものの短時間で退席してしまいましたので、ほとんどの時間は男性だけが居並んでいるという状態でした。

「女性の活躍」を掲げる政権の与党が、34人(自民31、公明3)も委員を出していながら女性がゼロというのは異常なことではないでしょうか(ちなみに、衆議院議員480人中女性は39人、自民党は293人中23人、公明党は31人中3人となっています)。

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改憲論が大勢、会長まで悪乗り

この日の議題は「今後の憲法審査会で議論すべきこと」でした。まず、「各会派の代表者からの意見表明」(各会派10分以内)が行われ、その後「委員からの発言」がありましたが、ほとんどの発言者が「今後の憲法審査会で議論すべきこと」は改憲の具体的な内容であるという前提で持論を開陳していました。とくに共産党の笠井氏が中座してからは改憲論が溢れかえり、最後には保利耕輔会長(自民)が次のように述べて、11時30分に散会となりました。

* * * * *
各党内でご議論をいただいて、党内の考え方をできるだけまとめていただいて、そして、党としてはこうだということを今後もご披瀝いただきたいと思いますし、また、それを詰めていったところは最終的には条文案である、法律案であるというふうに考えますので、それを意識してご議論をいただきたいなと思っております。

条文があって初めてここの審査会では議論が具体的に進んでまいりますので、それをぜひご記憶いただいて、ご努力をいただきたいなと思っております。
* * * * *

私は、これは審査会を中立的に運営すべき会長の役割を逸脱したとんでもない発言だと感じましたが、いかがでしょうか。

審査会の今後の方向性を示した船田氏の発言

上記の保利氏の発言の前には、船田元氏(自民、幹事)が、この日の審議を総括して、次のように発言しました。

* * * * *
憲法改正に向けて、我々は評論家であってはいけないと思っています。やはり、一つ一つの項目あるいは条項について、変えるべき、変えないべき、変えるならどう変えていくかということについて、立法権者として見識をしっかり持って、そして分析もしっかりして、一歩でも前に進めていくという態度が大変重要であるということを、きょうの議論を聞きまして改めて認識をいたしました。(中略)

今後、どのように議論をしていくかということについては、来週以降、幹事会あるいは幹事懇で、きょうの議論をしっかりと踏まえて、テーマの絞り込みをやっていくということになりますが、(中略)きょう、多くの皆さんの共通する課題あるいは話題として出ましたのは、確かに、緊急事態、それから環境権を含めたいわゆる新しい権利、もちろん、権利の中には、権利と義務の関係をどう見るのかという非常に大きな命題もありますけれども、そういった新しい権利のこと、それから国会のあり方、これは、一院制の問題も含めた衆参の役割分担など、あるいは選挙制度に関わることも当然議論としては相当出たと思っております。

それから96条、これは私も申し上げましたが、いろいろと議論が分かれるものもありますが、やはりこれも視野に入れておくということは大事なことであろうと思います。

9条について、あるいは集団的自衛権のことについて、先般行われた閣議決定について、これの言及も各党の皆さんからあったわけでございますが、この点については、これはなかなか難しい問題、各党の間での認識あるいは考え方の違いというのがまだまだ相当あるというふうに感じた次第でございます。

同じ方向を向いているかなと思うのは、緊急事態、あるいは環境権を含めた新しい人権ということでありますので、そういったところがまずテーマとしてはふさわしいのかなと思っておりますが、今申し上げた他の項目についても、これはやはり幹事会でもよくよく議論をして、テーマにするときには冷静、客観的に取り組んでいく必要がある、このように思っております。

きょうの議論は大変有意義であり、憲法改正に向けて具体的な第一歩を踏み出せたかな、あるいは出せるかなというところまで来たと思いますので、今後、審査会あるいは幹事会での議論を、きょうの議論をしっかりと踏まえてやっていきたいと思いますので、各党の皆様のご理解またご協力を心からお願いしたいと思います。
* * * * *

保利氏と船田氏の発言を併せ考えると(自民党の審査会幹事である古屋圭司氏、保岡興治氏も船田氏と同様の発言を行っていました)、憲法審査会は、緊急事態条項や環境権等を手始めにして、各党が条文案を作成し、それを突き合わせることで改憲の議論を実質的に進展させようという段階に来ているということだと思います。

改憲の具体化に突き進もうとしている審査会の暴走を阻止していくためには、まず、この危機的な状況を周知徹底して、改憲反対の運動を高揚させていかなければなりません。

しかし、この日の傍聴者は15人ほど(うち百万人署名運動は3人)でけっして多くはなく、記者も3〜4人しかいませんでした。報道も少なかったようで、私がチェックしている範囲では、改憲勢力の機関紙とも言うべき産経新聞が次項のように報じただけでした。

衆院憲法審査会「緊急事態条項」新設必要性で一致

*『産経ニュース』(http://www.sankei.com/politics/news/141106/plt1411060033-n1.html)より

* * * * *
衆院憲法審査会が6日開かれ、共産党を除く与野党7党が大規模災害や感染症拡大などの緊急事態に対処するための規定を憲法に盛り込む必要性に言及した。現行憲法にない「緊急事態条項」を審査会の議題に取り上げることも提案され、改憲の優先テーマに浮上する可能性が強まった。大地震やエボラ出血熱の脅威に直面する中、「万が一」に備える政治の責任をようやく各党が共有したといえそうだ。

6月に改憲手続きを確定させる改正国民投票法が成立した後、各党が大災害や武力攻撃の発生時に首相権限を強化する緊急事態条項の必要性で一致したのは初めて。この日の審査会では、維新の党の伊東信久氏が「感染症のパンデミック(世界大流行)や有事の際に国民を守る緊急事態条項を検討することが喫緊の課題だ」と強調。次世代の党の西野弘一氏も「憲法には緊急事態の行政機構のあり方が規定されていない。昨今の国際情勢や伝染病の流行などに対応していく上で心許ない」と同調した。

ほかにも「非常事態でも国民主権などが侵されることなく、憲法秩序が維持される仕組みを明確にしておくべきだ」(民主党の武正公一氏)との指摘が相次ぎ、公明党も賛同した。自民党の船田元氏は「憲法改正に向け具体的な第一歩を踏み出せたかな、というところまで来た」と語った。

今後は緊急事態条項を議題にするかどうかを協議するが、6日の審査会で異論は出なかった。各党間の調整を経て緊急事態条項を盛り込んだ改憲原案が衆参両院の3分の2以上の賛成で発議されれば、国民投票で賛否が問われることになる。ただ、緊急時にどこまで行政の権限を強化し、国民の行動を制限するかに関しては各党で意見の隔たりがあり、調整が難航する可能性もある。
* * * * *

この記事でも紹介されていますが、維新の党と次世代の党は、エボラ出血熱の流行に早速便乗して、緊急事態条項の必要性の論拠の一つとして挙げていました。少しでも頭を使えば、首相への権限の集中等と感染症対策の充実とはまったく無関係であることがわかるはずですが、改憲に向けて利用できそうな要素はなりふり構わず何でも採り上げようという彼らの姿勢には、私たちとしても学ぶべき点があるのかもしれません。

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色づき始めた国会前の銀杏(11/6朝)

7.1閣議決定を批判したのは民主、共産と生活だけ

さて、この日の審議の中で7月1日の閣議決定を批判したのは、民主党、共産党、生活の党の委員だけでした(社民党は委員を出していません)。ここでは、鈴木克昌氏(生活)の発言を紹介しておきたいと思います。

* * * * *
ここで、9条に関して申し上げなければならないことがあります。それは、集団的自衛権の一部行使容認を主な内容とする本年7月1日の閣議決定であります。

安倍政権は、戦後一貫した集団的自衛権に関する憲法解釈を、いとも簡単に、一内閣の権限のみで変更しようとしております。9条の解釈は、戦後から現在までの長い間にわたる国会審議において国会と政府の共同作業によって練り上げられてきたものであり、十分な国会審議を経ることもなく、一方的な閣議決定によって軽々に変更が許されるものではありません。

この閣議決定については、立憲主義に関わる問題であり、看過できないため、憲法審査会の場で議論する必要があることを幹事会の場においても主張いたしました。今後の憲法審査会で議論すべき案件に相ふさわしいと考えるものであります。
* * * * *

しごくもっともな意見だと思いますが、これが審査会でまともに採り上げられないであろうことは、上述の保利氏、船田氏等の発言から明らかです。

異論を抱える民主党

上記の鈴木氏の発言のすぐ後、民主党の長島昭久氏がとんでもない意見を表明しました。氏は、まず「7月1日の閣議決定を憲法審査会で議論すべきだというご議論に私は全く賛成」だと述べたうえで、次のように続けたのです。

* * * * *
というのは、あの閣議決定というのはひじょうに良くできておりまして、(中略)わが国の平和主義を考える上での有益な素材がたくさん詰まった内容になっているというふうに私は感じておりまして、単に自民党と公明党の代表者の議論だけではなくて、野党も含めた活発な議論を、ぜひこの場でやっていただきたいというふうに思っています。(中略)

この際、ぜひ、憲法付属法としての安全保障基本法のようなものについて、与野党の間でこの場で議論を深めていくことは大変有益ではないかというふうに思っておりますので、ご提案申し上げたいと思います。(中略)

例えば、アメリカと一緒にアフガニスタン爆撃をしたイギリスのように、あるいはNATOと一緒にコソボ爆撃をしたドイツのように、他国の領土、領空、領海の中に入って、そこで武力を行使するといったような、そういう意味での集団的自衛権をあの9条から導き出すことはなかなか難しいというふうに思っております。

とはいえ、現実の国際情勢の変化あるいは軍事技術の進歩などを勘案しながら不断に憲法解釈というのは変更されてきたし、今後も変更は認められるべきだというふうに、現実に合わせる形で、国民の生命財産を守るために憲法をどう解釈するかということ、この点について、やはり憲法解釈というのは不断に見直されてしかるべきだというふうに思っています。

その点で、(中略)立法府が立法府として憲法解釈をきちっと明確化するという意味で、安全保障基本法の議論をぜひこの場で深めていくことを改めてご提案申し上げたいというふうに思っています。
* * * * *

立憲主義に背反するという観点から7.1閣議決定を問題視し、審査会での議論を呼びかけた鈴木氏の発言を、ここまで捻じ曲げて恥じない長島氏の言い草にあっけにとられたのは、私だけではなかったと思います。

この後、中谷元氏(自民)が「ただいまの発言につきまして、私も賛成でございます」と続き、保利会長が「ただ今の件は、幹事会で後に議論をさせていただきたいと思います」と締めくくりました。

民主党の国会議員の「幅の広さ」には今さら驚きませんが、それにしても立憲主義と相容れない7.1閣議決定のプロセスを不問に付して解釈改憲の必要性を主張し安全保障基本法の議論を提案するというところまで行くと、何をか言わんやということにならざるを得ません。

このほか、次世代の党、維新の党、みんなの党の委員からもトンデモ論が披歴され、公明党の委員は環境権等にとどまらず憲法全般にわたる「加憲」の検討課題を列挙していました。

このような状況を見ると、今、国会内で改憲への動きにブレーキが掛かることは到底期待できません。私たちが院外で声を上げ続けるしかないのです。微力ながら、その一端に加わっていきたいと思います。ともに闘いましょう。(G)










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